精神疾患について障害年金が認められる基準
1 基本となる資料は「障害認定基準」
精神疾患について障害年金が認められる基準について理解する上で、最も基本となる資料は、日本年金機構のホームページで公表されている「障害認定基準」です。
障害認定基準は、様々な障害について、どのような基準で等級判断をするのかの基準をまとめたものですが、この第3章第8節において「精神の障害」に関する認定基準が記載されています。
2 精神の障害にも様々な類型の障害があります
なお、精神の障害と一口にいっても、様々な類型の障害があります。
統合失調症、うつ病、ADHDなどは、精神の障害として目にすることの多い病名ですが、それぞれ、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分(感情)障害」「発達障害」という異なる類型の精神障害に分類されています。
このように、障害認定基準では、精神の障害を類型ごとに区分しており、全部で①「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、②「気分(感情)障害」、③「症状性を含む器質性精神障害」、④「てんかん」、⑤「知的障害」、⑥「発達障害」の6種類に区分しています。
精神の障害の認定基準は、おおざっぱに整理すると、3級は労働に著しい制限を受けるレベル、2級は日常生活に著しい制限を受けるレベル、1級は日常生活が不能になるレベルとなっており、この基本的な枠組みは、6種類の区分のすべてに当てはまります。
ただし、より詳細に見ていくと、区分ごとに特有の考慮事情も定められているため、まずは、自分自身の精神障害がどの区分に該当するのかを把握することが重要となります。
例えば、③「症状性を含む器質性精神障害」は、典型的には、脳損傷に起因する高次脳機能障害がこれに当たりますが、この区分では「脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区分して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定する。」とされており、失語、失行、記憶障害、注意障害など様々な側面での障害の内容を説明することが求められます。
また、④「てんかん」も、精神の障害の一つとして分類されていますが、てんかんについては、てんかんを抑える薬を処方された上で、どの程度の重さと頻度で抑制しきれずに発作が起きているのかによって、障害年金の認定がされる仕組みになっています。
このように、精神障害の区分ごとに、特有の判断要素があるため、まずは、申請対象となるのがどの区分の精神障害なのかを特定することが重要になります。
3 「人格障害」「神経症」の扱いも注意が必要
また、認定基準との関係でいうと「人格障害」「神経症」の扱いも注意が必要です。
障害認定基準では、これらの病名は、上記の6種類の区分のどれにも含まれておらず、「人格障害は、原則として認定の対象とはならない。」「神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。」とされています。
ただし、神経症については、続いて「ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う」とされていますので、医師の判断次第では、神経症(強迫性障害、不安神経症、パニック障害など)で治療を受けている方でも、障害年金の受給対象となる可能性はあります。
























